オーストラリアの国土はヨーロッパ全体の7割に匹敵し、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで3,000km以上に渡ります。
広い国土にワイン産地が点在するが故に、様々なタイプのワインが造られています。最も生産量が多いブドウ品種は「シラーズ」で、白ブドウの生産量第一位は「シャルドネ」です。

南オーストラリア州は、オーストラリアワインの生産量の約半数を占めるワイン産地です。
世界の有力ワイン産地から離れていたこと、厳しい検疫が設けられたことで、多くのワイン産地を壊滅状態に追いやった害虫フィロキセの被害を免れ、自根のブドウ樹が現存する産地でもあります。

南オーストラリア州の主要産地について

●アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)

州都アデレードの南方に位置し、標高が高く、冷涼な気候です。水の確保が難しいオーストラリアにおいて、このアデレード・ヒルズはある程度の雨量があるので、人工的にブドウ畑に必要な水を引く灌漑に頼らないブドウ栽培が可能な産地です。


ブドウ栽培に恵まれた土地を生かし、オーストラリアの主要ブドウであるシラーズ、シャルドネ、更に、ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランなど様々な品種のブドウが栽培され、多様なスタイルのワインを生み出しています。


フランスのボルドー、アメリカのナパ・ヴァレーと並び、Great Wine Capitalsという世界を代表するワイン産地にも選ばれ、銘醸地でありながら、ナチュラルワインの生産者が多く集まる注目の産地です。



●バロッサ・ヴァレー(Barossa Valley)

「シラーズの首都」と称されるほどのワイン産業の中心地であり、オーストラリア産ワインの約25%を生産する銘醸地。温暖な谷底のエリアで造られるシラーズは、力強さのある果実の濃厚な味わいが楽しめます。そのほかシャルドネ、ピノ・ノワールといったブルゴーニュ品種や高級スパークリングワインもあります。


●クナワラ(Coonawarra)

南オーストラリアの南海岸沿いに広がるライムストーン・コーストという地域は、土壌に適度に含まれる石灰岩のおかげで、赤も白も良質なワインが生まれる重要な産地です。クナワラはその中の小地区(サブゾーン)で、オーストラリアで最上級のカべルネ・ソーヴィニヨンで有名な産地です。
土壌はテラ・ロッサ Terra Rossa と呼ばれる赤い表土で覆われた、石灰岩土壌です。

ワイナリー