私、ジョルジョ・ヴェッツォーリ(Giorgio Vezzoli)が主宰するクワトロ・テッレ(Quattro Terre)はフランチャコルタの中心にある素晴らしい土地に出会い、2006年にワイナリーの歴史が始まりました。敷地の中心に位置する18世紀に建てられた古い農家の建物はワイナリーの名前の由来となる4つの古いシャルドネのブドウ畑に囲まれていました。 

クワトロ・テッレのワイン造りはこれらのブドウ畑から始まり、自社のブドウのみから作り出すフランチャコルタにこだわって今日に至ります。

他の生産者からワインやブドウを購入せず、有機農業の原則に従ってブドウ畑を直接管理しています。 約 15 年間にわたり、家族経営のビジネスを維持しながら、生産量を徐々に増やしてきました。私たちは栽培するシャルドネとピノ・ノワールの複雑な香味と個性を尊重したワイン作りのためにフランチャコルタのさまざまな場所に新たなブドウ畑を広げて来ました。

私たちのワインのスタイルは常に、厳格にその本質を追求し、そしてエネルギーに満ちたものであることを特徴としています。フランチャコルタの真の個性はその味わい深さにあると私たちは信じているため、これらはすべて、香りよりも口の中に広がる味わいでより多くの感動を呼び起こすワインです。

現在、当社のラインナップは 6 種類のフランチャコルタと 2 種類のクルテフランカで構成されており、すべて同じ哲学で造られています。つまり、ワインのダイナミックさを損なわずに長期間の瓶内澱上熟成、最小限の補糖によるドサージュと最小限に抑えた亜硫酸を使用しています。 特別な区画から収穫されたブドウは、木樽による醸造ですが、その他は主にステンレスタンクを利用して醸造しています。

2006 年に私たちが出会った元農家の建物は 18 世紀のもので、ナポレオン時代の多くの地図にも描かれています。 イタリア北部の典型的な農家の建築様式の建物で、全長110メートルを超える壮麗なファサードが特徴です。 このような建物には、少なくとも 20 世紀半ばまでは、周辺の土地で働く農民の家族が住んでいました。 しかし、そのような建物に住む家族は多くの場合、10 人に達することもあり、ほとんどが上の階に住んでいました。 100年前、このような建物は小さなコミュニティの中心であり、数十人がスペースを共有して農業に従事していました。

私がフランチャコルタを生産するに至った動機を要約するとしたら、それは 2 つの単語で表現できると思います。「維持 (Care)」と「預かり物 (Safekeeping)」です。

「維持」とは、単に特定のスタイルや味に向けられるべきではなく、むしろその地域の特徴や独自性の真の表現として、ブドウ畑に関わる私たちがブドウやワインに与えられたものを厳格に尊重することにあると信じて、ブドウやワインに逆らわず受け入れることです。 フランチャコルタに存在するさまざまなテロワールの特徴と独自性を明らかにすることに努め、ワイナリーにおけるプロセスにおいて、ワインが適切に表現できるように、最も繊細で影響を最小限に抑えた方法で介入することも必要です。

「預かり物」とは、私たちのすべての土地、すべてのブドウ畑を個の所有物としてではなく、私たちだけに帰属するのではなく、長い歴史の中で一時的に預かるもので、コミュニティ全体に属する共通の財産として引き継ぐという願望を具現化するための概念です。 それは生産という観点だけでなく、尊重、保存、そしてその中に宿る生命力の向上に焦点を当てて維持管理されなければならないかけがえのない資源です。

おこがましいように聞こえるかもしれませんが、フランチャコルタに他の多くのワイナリーが出現していた 15 年前にクワトロ・テッレが一歩を踏み出し、 これまでに行われたワイン作りへの取り組み、手法の選択、ワインのスタイル、それらのコラボレーションにより、2023 年には品質に重点を置いたフランチャコルタの中小規模のワイナリーの中で当社がイタリアで確実に、シャンパーニュでいうレコルタン・マニピュラン的存在として認められるようになりました。 今後 10 年間の課題は、当社の価値観を見失わずに成長し、フランチャコルタの思想を海外の顧客に表現していくことです。